ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人

アニメやゲームの感想を通じて多くの人と繋がっていきたいです。火と金に「ねとらじ」にてアニメ感想ラジオも放送してます。今期はゆるキャン△、宇宙よりも遠い場所、ダーリン・イン・ザ・フランキス、刻刻、ポプテピピックが中心です

(アニメ感想) 刻刻 第12話 「第拾弐刻」

?壱刻

毎度楽しみにしているこの作品ですが、おっさん率が高くて地味なのが災いしてかあまり話題にならなかったのですよね。後半の盛り上がりもなかなかのものなのですけどね。

※ピッコロのらじお♪水曜日放送は火曜日の放送に変更になりました

☆アニメを濃く熱く語りたい人は集まれ~!毎週火曜日22時と金曜日21時半より アニメ系ネットラジオ「ピッコロのらじお♪」を放送!一週間のアニメの感想を語り合っています。 掲示板も設置、アニメ交流してみない?初めての方も大歓迎だぜ~!!  

 ここより先はネタバレを含む感想となりますのでご注意下さい

 

樹里って確かに意思も強いし一度決めたことは決して曲げない強さがあるのですけど、ちょっとその鋼の精神が怖いと感じることがあります。自らの信念とそれを遂行するために手段を選ばないところなどは、実は佐河と似ているかもしれません。本人もそれを自覚してか佐河の甘言には乗らなかったのでしょう。

まあ、ほぼ同じではあるが”そうならなかった”のはほんの少しの違いでしかない。しかしそれが”大きな違い”であるという示唆は他の作品にも散見されるファクターではありますね。

前回の感想にも書きましたが、”そうならなかった差”は佐河が孤独で樹里が孤独でなかったところにあるわけです。そりゃ確かに皆色々抱えていて時には自分の足を引っ張ることもあるかもしれないけど、無条件で助け合え、いつでもそこにある場所として存在する家族は樹里を決して孤独にしなかった。彼女の強さとはそんな家族があってのものだと思いました。

それにしても家族を救うためとは言え、時間の止まった誰もいない世界で一人で生きることを決意するなんて相当にタフな精神ですよ。ああ、正確に言うと神ノ離忍化した飛野と一緒ですかね(苦笑) 

何にせよ静止した空間なので、何も動かないし、音も聞こえない文字通り何もない静止した世界なわけです。何事も進展しない世界で自分だけは年老いていくというのはとてつもない孤独です。きっと常人なら一日も持たずに発狂するのではないでしょうかね。

決して進むことのない世界で唯一成長し続けた赤ん坊の佐河との時間は樹里にとって特別なものだったということは容易に推察できます。しかしその赤ん坊佐河をも止界から追い出した樹里さんの意志の強さは想像を絶しています。まさに鋼の精神ですわ。

ちなみに、樹里が止界に残されたことを知っているのはこの時間の先にいる世界の住人達だけです。つまりこの止界に留まる樹里を救いに行こうと思っても、それは過去にタイムスリップすることと同義ですから可能性はほぼないに等しいと言っていいでしょう。翔子は希望を捨てるなみたいな事を話していましたが、いやいやそれは無理な話しです。止界から出た時点で、樹里のいる世界からどんどん遠のいていくことになるのです。何人たりとも時間の流れを止めることは出来ません、それこそ止界術を使わない限りは・・・もはや絶望しかなかったわけですね。

ですから、樹里をどう帰還させるのか?という点には注目が集まりましたが・・・あっさりと解決しちゃいましたよw 止界を自由に行き来できる者の存在によってね。あらら、佐河の苦労ってなんだったのでしょうか?という少々微妙な気分にはなりましたけど、これも「生まれ持った才能の差である」と言われればそうですかと納得するしかないですわね。

しかしね、こういう超越者の存在を出さない限りは樹里の帰還問題は解決しなかったですわ。それこそ未来からの使者が訪れなるのであれば話しは違うでしょうが・・・。


この作品は繰り返し「家族」をモチーフとして描いていました。私は家族は「再生の象徴」でもあると思っています。やがては自立し社会へと巣立っていったとして、しかしながらとこかで壁にぶち当たって傷ついても、そこは帰るべき場所として存在しているわけです。そしてまた家族に包まれて癒され、また立ち上がって進んでいく・・・そういう場所なのですよ。

刻まれていく時の中で人は何度も進歩と再生を繰り返していくものだと思います。そんな人の営みを歩みを支えるのが家族という場所です。まさに刻刻はそんな当たり前のことを描いていたのだと思います。

佐河は世界に絶望し、この世界そのものを切り捨てようとしました。しかし本来なら例え絶望し傷ついたとしてもやり直すことは可能であったはずです。孤独な彼にはそのような、癒やされ、やり直す再生の場所がなかったわけですが、赤ん坊に戻ることで樹里の家族の庇護の元、もう一度人生をやり直すことが出来たのですから、ある意味では彼自身の目的は達成されたと言えるかもしれません。

そして、刻々と刻まれる時間の中で成長していく佐河の姿こそがまさに「再生」というテーマを象徴していました。ややクセがあり地味な作品性でしたし、止界については謎もまだまだ残されていますが、最終回を迎えて消化不良感がなく読後感も爽やかです。毎週が楽しみになる何とも不思議な魅力のある作品でございました。

<冬アニメ最終回特集!!・・・3月27日(火)22時より一週間のアニメ感想を語るラジオ「ピッコロのらじお♪を「ねとらじ」にて放送!!>

3月27日(火)22時から放送の「ピッコロのらじお♪」では宇宙よりも遠い場所ゆるキャン△ダーリン・イン・ザ・フランキス刻刻恋は雨上がりのように等等のアニメについて語ります。

当日は掲示板にて多くのアニメ好きの方達が交流を深めておられます。初めての方もどうか遠慮無くご参加ください。ラジオの聴き方等については放送当日の当ブログのトップページをご覧ください